僕がSEVENを買ったのは今から×年前23歳でした、まだ当時クラッシクもなく中古でも400万は当たり前の時でした。僕が住んでいたのはS市でした。当時、S市にはSEVENを売っているSHOPなどなく北海道でSEVENを購入するには、雑誌等にも掲載されていたXXXXにある“あのSHOP”でした…


S市でSEVENを買うには非常に大変な条件があります。それは内地の人には想像も出来ないでしょうが、北海道で車を持つことは生活必需品、つまり生きるためなんです。だから当然SEVENの他に冬でも走る車(これがA112アバルトの後に購入したMini)それに冬のことも考えて車庫も絶対に必要でした。僕がSEVEN購入計画を実行したのが、20歳の時でした。会社の後に、ススキノでホストまがいのウェイターをしてお金を貯めました。しかし新車には当然手が出ません。「中古にするしかないな」僕はバイクの時から旧車や外車ばかりでしたので、たいていのトラブルには慣れてましたので、なんとかなると思いました。


しかし、いざ購入するとなっても、飛行機にのって東京等で買うわけにもいきません。そこでいつも買っているCARマガジンに北海道にSEVENを売っている店が載っているじゃありませんか!!僕は早速電話をしました。


そこのSHOPはS市から100kmくらい離れているXXXXという町にありました。そこのSHOPに電話をして、詳しく聞くことにしました。なんでもそのSHOPはイギリスから直接買い取りにいくので、非常に良い車が入手できて、関東等のSHOPにも卸しているので信用してくれと…


しかしそこのSHOPには現車がなく、前金を入金してくれたらSEVENをさがして、気に入ったら輸入してくるシステムでした。当然購入の判断はSHOPから送ってくる写真が頼りに…僕はバイクの時(Motoguzi)の時に写真だけの購入をした事があります。当然ひどい結果でした。その事があるので、写真だけの購入は嫌だったのでその旨をいいました。すると「大丈夫だよ、イギリスの工場でフルレストアだからほとんど新車と変わらないよ!!エンジン、足回り、ミッションもばっちりだから信用して」と。後にこの言葉が僕の心に今でも残ります。この一言が詐欺まがいの行為といっても過言ではないでしょう。
北海道には他にSHOPもないので、信用するしかありません。SEVENが好きだったから…


その後、何回か写真が送られてきました。僕はどうにも気に入らなかったので断り続けました。やはり新車にしようかと思い相談しました。「新車は今の予算じゃだめだけどそっちにするかい??」僕は考える旨をいいました。
中にはびっくりするほどきれいなものもあったんですが、それは「相手のイギリス人が売らないといってね」と…


頼んでから3ヶ月くらい経ったときに又、写真が送られてきました、これも考え物の代物でした、しかしSHOPの対応はこんなものでした。
「そろそろ決めてくれないかな??君の車ばかり捜しているんだよ」しかし僕は胡散臭い中古より新車に変える旨を述べた所「新車はしばらくやらないよ、ちゃんと治すから大丈夫だよ」と。
しかし後に解ったのですが新車も当然販売していました。


その後SHOPを信じて購入を決意し、その旨を電話しました。
又、写真では全塗装してましたが、僕はアルミが良かったのでその旨を述べると塗装は剥がしてくれるとのことでした。


価格は320万

年式90年(3年落ち)これがまったく信用できません。

エンジン 1.7KENTこれも果たして…

フレーム リジッド

ミッション 4速


ドディオン全盛期でしたが、予算の関係もあったのでこれにしました。
その後、金策に翻弄しました。


「決めたんなら、急いで残金入金してくれないかな??こっちも君の車の代金をイギリスに払ってるんだ、為替相場の事もあるから1日でも違うと金利がかかるんだよ」
僕は必至になって残金を入金しました。これで晴れてSEVENオーナーだと…


購入したのは12月です。当然真冬なので納車は出来ません。
「うちも場所がないから早くしてくれないかな」
この時点で僕はムッとしました。そっちが購入を急かしたのじゃないか!!と。


一応4月に納車になりました。その間にきちんと整備してもらう事もお願いしました。納車前に整備する事は“契約書”にも書いてました。それが条件なのですから。
一応契約書には、保証無し、納車前整備、工具一式と書かれていました。この契約書はいまだに手元にあります。僕は保証無しに一抹の不安を覚えていたので再度、大丈夫か確認しました。


一度、現車を見たいので冬の峠を越えて見に行きました。はじめてみる現車は外装がくたびれていました。しかし外見は仕方がないけど、ばっちり仕上げるからと。
「この間、試乗したけどエンジンはばっちりだね!!当たりだよ!!」と。後にこの言葉も嘘と解る時がきます。こいつは乗ってません!!


4月いよいよ納車です。まだ当然、雪はあります。僕は陸送屋から運ばれてくるSEVENになんともいえない感動を得ました。この時を何年まったかと…
これから、楽しいSEVENとの暮らしがあると…


しかし、ローダーからおろされたSEVENのエンジンを掛けようとしても全然かかりません。苦労して何とかかかりました「なんかコツがあるのかな??」と思いました。
一応納車された事をSHOPに連絡しました。すると「キャブ車に慣れてないからだよ」と。
僕はキャブの車にしか乗った事が無いのですが、ツインウェーバーは難しいものかと思いました。そして次にSHOPは不可思議な事をいいました。「電動ファン回るかみてくれない??ちょっとチェックするの忘れたんだ」と。
納車前の整備は???実走してるのでは??と思いつつ。僕もすぐに走りたいのでとりあえず走ってみました、走ってすぐに水温は上がります、外気は5度もないのに…


あっというまに100度をこえました。ファンは全く回りません。すぐにSHOPに電話しまた
「ごめん、明後日S市にいくからその時に見るね」と。せっかく週末乗ろうと思ったのに…


週末にいろいろとチェックしました、果たしてこれがフルレストアの車かと…
まず…
工具一式は全く見当たりませんでした。
腐ったラジエター。コアに触ったら崩れてきました。
足回り関係は全ての部分が、上から筆でペンキを塗っただけ(ちゃんと筆の毛もついてました)手で触ったら、当然剥がれて中は真っ赤。
ブッシュは全部つぶれて、内装から何から錆びだらけ、おまけにライトも1個点燈しない…思わず震えがきました。


足回りのOHってなんなのでしょうか??たしかにOHの定義はいろいろあると思います。ですが通常の考えなら
スプリング&ダンパーの交換
ブッシュ交換
アーム等の錆び落とし、再塗装
が、あげられると思うのは僕の甘えでしょうか??
後に、そこのSHOPにOHについて尋ねた所、こういう答えが帰ってきてます。「イギリス人は雑だからね〜見てごらんこの、カニ目イギリスでフルレストアしてるけど、もう錆びが浮いてる」と。
しかし、ただ錆びを隠すために足回りを筆でペンキを塗っただけがイギリス人のOHなら、現在でも雑誌の広告に掲載されている、このSHOPのフルレストア済みの車って…


うちの父親はトヨタの部品等を製造している工場につとめているので一目で、「だまされたんだおまえは」と。でも僕はあのSHOPをまだ信用していました。


SHOPの社長が家にきて、電動ファンのスィッチをつけました。外付けの…
僕は「電動ファンて自動的にまわるんじゃ??」と。
するとSHOPは「いや、センサーが当てにならないから、こっちの方が安心だよ。イギリスのセンサーは当てにならないからな」と。僕は納得がいかなかったのですが、そんなものかと…
しかしこのセンサーは後に解りますが、僕のSEVENにはセンサー等付いてませんでした。


後に、彼は“イギリスの車は”という言葉を連呼します。
60年代〜70年代の車ならいざしらず最近の車はそんなに壊れません。いくらSEVENでも…


ラジエターの事など全て言いました。しかしSHOPは「イギリスの車はそんなもんだよ」と「これでも良いほうだよ他のなんて…」“おいおい俺は国産からの乗り換えじゃないんだよ”と思いましたが。しかし巧みな話術に翻弄されていきました。当時23歳の僕はまだまだ子供だったのですね、彼の話術にすっかりはまってます。
もし今の自分なら絶対に胸ぐら掴んでるでしょう…


うちの父親が出てきて「おまえ、さんざんこの車でもうけたろ!!」とすると「いえ、塗装を剥がしたのでうちも赤字ですよ」と、しかしうちの父親は納得いかず一色即発になりそうでしたが、僕はここでこのSHOPに嫌われたら“SEVENを維持できない”と思いその場をなんとか収めました。たしかに北海道にはSEVENの見てくれるSHOPも無く、このSHOPとうまくやっていかないと、危険と判断したんでしょうね。


その後、ラジエターは近くのラジエター屋に張り替えてもらいました。この費用は2万くらいでした。ラジエター屋さんがいうには「この車、海の近くにあったんじゃない。普通3年落ちでここまでラジエター腐らないよ。潮風でも吸ったのかな??」確かに…この件で電話したら「イギリスは周りが海だからね」…そうか???だったら日本もそうか???


ラジエター屋から帰りに、何かキャブのあたりから金属音が…すぐに止めてエアークリナーをはずしました、するとインナーベンチュリーが外れているではないですか!!それに普通ここにはファンネルが…当然SHOPに電話しましたすると「あ〜それね、来たときに変なエアークリーナーがついてたから、うちがわざわざK&Nをつけてやったんだ。ちょうどBDR用のしかなかったから、サイズが合わなかったんだね」と。なんて無責任な。外れる事は解っていたのではないか…


ファンネルの件は「ついてないのもあるよ」この一言で納得しなければならないのですねキットのSEVENは…


ラジエターを張り替えてもヒートの兆候は見られます。北海道でヒート!!信じられません。この旨をいうと「SEVENのエンジンはチューンしてるから、発熱多いよ〜、常にファンは回ってるね」と。しかしこれは納得が行かずにサーモスタットを見てみました案の定イカレテました…そして、水周りを掃除した結果、ヒートはしなくなりました。サーモスタットはMiniの部品をつけておきました。これが納車前整備をしてる車でしょうか…


しかしエンジンが掛かりづらいのは、どうしてもだめです。「かぶらせたらすぐにプラグを見てね」そういうSHOPの言葉を思い出して、プラグコードを抜くとプラグコードのキャップは見事に砕けました。3年落ちでここまで腐るか!!


又、セルの回転がおかしいのです。まるでいつもバッテリーが弱いように回転がスムーズではありません。当然バッテリーは新品にしてます。この件をSHOPに相談したところ「スィッチがだめかな、じゃ送ってやるよ」と。だから納車前整備は一体…


始動性はどうしても改善できないので、SHOPに相談したところ「こまったね、まだ慣れないの??仕方が無いな〜早く慣れないとSEVENに乗る資格ないよ。じゃとりあえず電磁ポンプをつければ??」そこで2万で電磁ポンプをつけましたがやはりだめです。当然セルをまわしてますからバッテリーはすぐに寿命がきました。


錆は本当に酷いものでした。毎日、毎日錆落しです。指紋がなくなるまで錆落しの毎日です。SPAXの調整も錆びて動きません。当然、足回りのアームなどは、はずしてるので走れません…一体何のために買ったのか…


配線もめちゃくちゃでした。これはキットのSEVENなので、我慢しました。電動ファンを自動的に回せる用にしようと思いましたが、どこを見てもセンサーはありませんこれじゃ絶対に無理ですね。スィッチを付けに来たときに教えてくれても…これで完全に解りました。絶対に納車前整備してないなと。


工具一式の件については、貧弱なパンタグラフのジャッキだけが後で送られてきました。


この時点で、我慢できず、消費者センターに相談しました。しかし「そういう車は特殊ですよね、壊れる事は当たり前と知ってて買ったんでしょ」と。
フルレストアの件に関しても「特殊な車だし、外車で並行輸入だからね〜。正式な中古販売の組合に入っていればこっちも言えるんだけど」と…


そうしてる間に最初の冬がきました…最初の1年はほとんど乗れませんでした。


冬の間も1週間に1度はエンジンを掛けました。しかし始動性が悪いのと、気温の低さで一苦労です。そうこうしてうちに、セルから煙が…はずしてみたら見事に焼けてました。近くの電装屋に治してもらいに行きましたら「ギヤがだめだよ、かなり使い込んでるね」と僕はそんなに乗ってないのに…
はずしたときに気がついたのですが、ダストカバーが無い???いくらキットでも…


ウマに乗せているときに解ったんですが、リアのブレーキが左側が完全に動いてませんでした。ピストンが完全にだめになっていました。それにフロントも錆付いていてまともに作動しません「一体こんな車どうして車検がとおったのだろう」と。


そういえばブレーキの件でこんな事もありました。購入時にドラムでも大丈夫かと聞いたところ「普通のドラムじゃないから、、効きはものすごいよ」と。
納車されて僕はブレーキの甘さに不安になって聞いた所こうでした。「タイヤがね、日本の道路にあってないんだよ〜それにパッドも良いのに変えた方がいいんじゃない」と。
又、「SEVENは速いよ〜1.7のKENTでもその辺の国産に負けないから」と。
しかし僕は、そんなに速くないことを言ったら「あ〜今の国産は速いからね〜」と。
しかし話がころころ変わる人です。


2年目

なんと悪どい商売で儲けたのか、例のSHOPはS市にも進出してきました。
春になってウマから下ろしてタイヤをつけるときに、フロントのハブがぐらついていました。この件を父親に話した所、これはあきらかにベアリング等がだめになっているとの事でした。父親が言うには「走っていてこうなったんじゃない、これは明らかに組み立て時の手抜きだ」と。さすがうちの父親もプロですから。


うちの父親は、そうとう頭にきてSHOPに電話しました。しかしSHOPは走っていてそうなったんだと、言い張ります。又、イギリスの車だから仕方が無いと。
しかしうちの父親は「うちの息子は買ってから1000Kmも乗ってないぞ、だいたいこれは重要保安部品だろ、いったい何を整備したんだ。イギリスの車の部品の精度は解るが、しかしこれは一目でわかる、きちんと組み込んでないんだ!!」と。
さすがにSHOPは自分の非を認め無料で修理してくれることになりました。


僕はあまり行きたくないでしたが、仕方ありません。ついでに始動性の件でSHOPに持ち込みました。その時に「キャブのセッティングあってないね、これじゃ高すぎて走れないよ」と。
だから納車前の整備は???僕はたまらずいいました「最初の時と話が違うじゃない!!フルレストアといったから買ったんだ!!なんだこの車は!!」しかしSHOPは「そんな事行ったっけ??それより、もう少し車を大事にしなよアルミも曇ってるし、キャブ車のエンジン掛けられないならSEVENなんて乗る資格ないよ」僕はその時泣きそうでした。この会話は僕の友人も聞いています。そこまでいわれても、そこのSHOPしかないのです。


その時、僕にこんな事も言いました「このSEVEN引きとって新車にするかい??」と。
この一言は,はなはだ話になりません。


結局SHOPにキャブ調整と始動性のチェックはお金を払って治してもらいました。しかし結局は直りませんでした。


もうこのSHOPとは手を切ろうと思いました。 部品などは全て内地のSHOPから通信販売で取り寄せました、実は例のSHOPよりも価格が安いのです。ですが、たのんだ部品が違う事もありました。それは通常その年式なら付いている部品が僕の車に当てはまりません。こんなのばっかりです。

この年は仕事の関係と気候の関係で、乗れませんでした。北海道の夏は短い…


3年目(今年)

冬の間にインターネットで知り合った人にメールでSEVENのメンテについて聞きました。その方は親切に毎日メールでやり取りしてくれました。なんと始動性の問題は、ただのポイントの汚れでした。信じられますか??例のSHOPに3万も払い「SEVENの始動性はこんな物だよ、ようはコツだよ」と。


そして僕のSEVENはやっと、今まともに走るようになりました。まだ色んな病をもっていますが、やっとスタートラインです。そして最初の車検がもうすぐです。一体この3年間は…


僕のSEVENはどうも、フレームだけは新しい物のようです。しかしエンジン、ミッション、デフ、保安部品等は絶対その辺の解体からもってきて、満足なリビルトもしていないようです。なぜ、ここまで言えるかというと、こんな話もありました。納車前にエンジンのOHをしてるなら、慣らしは必要かとたずねたところ、「そうだね」と答えが帰ってきてます。しかし納車後に余りの汚いエンジンブロックを見て本当にOHしたのか尋ねたところ、「ああKENTは新品がないからね、一度はOHしてないと走らないよ」に変わってます。この文章では解りにくですが、輸入直前にOHしているのではなく、過去に一度やっているよに変わってます。
又、デフの件ですが、実際デフやその他ドラム等の腐りようときたら、話になりません。まるで70年代級の錆です。錆びのおかげでブレーキのピストンが作動してませんから。


世の中にはもっと酷い目にあった人もいるでしょう。泣き寝入りにしたくないものですが、事実上泣き寝入りしなければならない事が多いのが社会的不適合車の宿命なのでしょうか??
僕は、決してあのSHOPを許しません!!たしかに僕が納車されたときに、もっと強くいえばよかったのでしょう。しかしあの当時の僕はそんな事も言えない立場と状況でした。


最近そこの、SHOPのオーナー達がS市で、SEVENのクラブをやっているとの情報を得ました。その話を聞いてから僕は、なぜか無性に我慢が出来なくなりました。
もしかしたら、そのSHOPでの被害者は僕だけかもしれません。他のオーナーは楽しいSEVENライフを送ってるのかもしれません。ですが僕は許しません。こういう事実もある事を一部少数の意見として、闇の中に送りたくないのです。この文章を見た、そこのSHOPと仲の良いオーナー達から反感をかられても僕は決して意見を曲げません。例えそのSHOPに訴えられたとしても....。


毎月のように発行されている雑誌や特集号に広告を載せているあのSHOP
僕の人生の中で最大の屈辱を味あわせてくれた、あのSHOP...絶対許しません!



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